「検討します」の落とし穴から抜け出す方法
「前向きに検討します」という言葉を鵜呑みにして待ち続ける営業は、まるで蜃気楼を追いかけているようなもの。この言葉は、ビジネスの世界において、最も丁寧で、そして最も残酷な"お断りの言葉"の一つかもしれません。
この記事では、お客様の「本音」と「本気度」を見抜くための実践的な質問技術をご紹介します。単なる精神論ではなく、契約へと至る確率を科学的に高める具体的なコミュニケーション戦略です。
客観情報で戦況を掴む
人の感情は移ろいやすく、言葉は嘘をつきます。しかし、「行動」という事実は嘘をつきません。見積もりへの返信速度など、客観的な事実から相手の状況を判断しましょう。
返信が遅い場合
「接戦」状態である可能性が高いです。競合他社の提案と比較検討されている段階です。
返信が早すぎる場合
「楽勝」か「惨敗」の両極端なケースが考えられます。買う気満々か、全く論外と思われているかのどちらかです。
まず見積もり提出段階で「ご確認にどれくらいお時間がかかりそうでしょうか?」と尋ねてみましょう。
本音と本気度を引き出す質問術
「枕詞」を使う
「〇〇様、個人的には」「ぶっちゃけたところ」といった枕詞を使い、相手の心のガードを外します。「会社の公式見解」という建前から解放し、「個人としての本音」を引き出しましょう。
「次のアクション」を確認
「このお話、この後、例えばどなたかにご報告されたりするご予定はございますか?」と尋ねます。本当に導入を検討しているなら、必ず「次のアクション」が存在します。
低い温度こそチャンス
反応が悪い時こそ、「もし仮に、今回ご導入いただけないとしたら、どのような点が一番の"壁"になりそうでしょうか?」と深く掘り下げましょう。
どんな答えが返ってきても決して反論せず、まずは「なるほど、そういったご懸念があるのですね」と深く頷き、相手の言葉を最後まで聞き切る覚悟が大切です。
明日からできる、たった一つのこと
知識として知るだけでなく、実際の現場で試してみることが大切です。いきなり全てを実践するのは難しいかもしれません。
まずは、次の商談の最後にこう質問してみてください:
「本日のお話、この後、どなたかにご報告されたりするご予定はございますか?」
たったこの一つの質問が、これまで見えていなかったお客様の「本気度」という名の景色を、あなたに見せてくれるはずです。その答えによって、あなたが次に取るべきアクションは、全く違ったものになるでしょう。
この記事が役立ったと思われたら、ぜひ営業チームの仲間とシェアしてください。明日の商談から、すぐに実践できるヒントがきっと見つかるはずです。